精子選別デバイス
SwimCount™ Harvester
マイクロ流体技術を用いた精子選別デバイス「SwimCount™ Harvester」
生殖補助医療(ART)における精子調整のための新しいソリューション
SwimCount™ Harvesterは、高度生殖医療(ART)において使用されるデバイスで、デンマークのMotility count社が開発し、世界に先駆けて日本で発売されました。
このデバイスは従来の遠心機を用いた方法とは異なり、マイクロ流体技術を用いて良好な精子を回収します。
精子を分離するために膜を用いる技術は、Motility count社が最も古く特許を取得しており、先進医療の一つである「膜構造を用いた生理学的精子選択術」に用いることができます。
製品の使用方法
製品の特長
- 数ステップで、⾼速直進運動精⼦(PMSC)の⾃然淘汰を模倣できる精⼦調整⽤チャンバーです。
- 従来の密度勾配遠⼼法よりも、DNA 断⽚化が少なく、形態が良好なPMSCs が回収可能です。
- 本製品の精⼦選別⽅法は、精⼦調整のステップを減らし、⼈為的ミスのリスクや、作業時間、必要な培養液の量を低減します。
- ヒトの⽣殖補助医療(ART)と動物の⽣殖の両⽅に利⽤可能です。
- 本製品の膜技術は、MotilityCount ApS が発明し、世界数カ国で特許を取得しています。
対象 | 製品番号 | 製品名 | 包装 |
---|---|---|---|
IVF / ICSI | 010935 | SwimCount™ Harvester, 1mL | 5 個(個包装、各⾊1 ⾊) |
AIH ( IUI ) | 010936 | SwimCount™ Harvester, 3mL | 5 個(個包装、各⾊ 1 ⾊) |
SwimCount™ Harvester 臨床成績-精子評価
SwimCount™ Harvesterと密度勾配遠⼼法(DGC)の臨床結果⽐較( N=111, IVI RMA Global, バレンシア, 2021発表)
SwimCount™ Harvester
密度勾配遠心法(DGC)
精⼦評価 | SwimCount™ Harvester DGCとの⽐較* |
有意差 |
---|---|---|
高速直進運動精子-PMSCs(百万) | 72% 改善 | p<0.05 |
⽣存精⼦(%) | 11% 改善 | p<0.05 |
形態(%) | 19% 改善 | p<0.05 |
DNA 成熟率(%) | 3% 改善 | p<0.05 |
DNAフラグメンテーション(%) | 64% 減少 | p<0.05 |
*1:M. Muratori et al, Sperm selection with density gradient centrifugation and swim up: effect on DNA fragmentation in viable spermatozoa (2019))。 Scientific Reports volume 9, Article number: 7492
*2:J.Tan et al, Association between sperm DNA fragmentation and idiopathic recurrent pregnancy loss: a systematic review and meta-analysis Reprod Biomed Online. 2019 Jun;38(6):951-960.
*3:Fernando Meseguer et al, Can Microfluidics Improve Sperm Quality? A Prospective Functional Study, Biomedicines 2024, 12, 1131.
*4:Alex Robles, M.D. et al, DOES MICROFLUIDIC SPERM SORTING IMPROVE EMBRYO DEVELOPMENT AND EUPLOIDY RATES IN PATIENTS UNDERGOING ICSI? Fertility & Sterility Volume 116, Issue 3, Supplement e141September 2021
SwimCount™ Harvesterとスイムアップ法の臨床結果⽐較
( N=50, IVI RMA Global, バレンシア, 2023 未発表)
SwimCount™ Harvester
スイムアップ
SwimCount™ Harvester 臨床成績-胚評価
SwimCount™ Harvester
スイムアップ
40歳以上の女性から得られた卵子における、精子選別法による影響
女性年齢 | 方法 | 受精率(%) | 胚盤胞率(%) | 胚盤胞利用可能率(%) | 正倍率性胚率(%) |
---|---|---|---|---|---|
≥ 40years (N=20) | SwimCount™ Harvester | 72.52 | 62.12 | 57.58 | 30.43 |
スイムアップ | 73.11 | 61.76 | 55.88 | 8.70 | |
≥ 42years (N=12) | SwimCount™ Harvester | 77.55 | 60.53 | 60.53 | 10.00 |
スイムアップ | 73.08 | 55.26 | 50.00 | 0.00 |
DNA フラグメンテーション率の⾼い患者群の精⼦選別法による影響
SDFレベル | 方法 | 受精率(%) | 胚盤胞率(%) | 胚盤胞利用可能率(%) | 正倍率性胚率(%) |
---|---|---|---|---|---|
SDF ≥ 15%(N=13) | SwimCount™ Harvester | 76.47 | 71.15 | 51.92 | 50.00 |
スイムアップ | 78.12 | 56.00 | 26.00 | 33.33 | |
SDF ≥ 20%(N=8) | SwimCount™ Harvester | 70.00 | 71.42 | 50.00 | 25.00 |
スイムアップ | 74.28 | 57.69 | 19.23 | No data |
製品詳細と使用方法
-
1. 精液注⼊⼝
精液の注入 - 2. 患者情報⼊⼒スペース
-
3. 培養液注⼊⼝/ 回収物抽出⼝
精子調整用メディウムの充填
精製後精子懸濁液の抽出 -
別途⽤意が必要なもの
精子調整用メディウム
37°C 培養器
SwimCount™ Harvester3 mL: 1 x 3mL シリンジ + 2 x 1mL シリンジ
SwimCount™ Harvester 1 mL: 3 x 1mL シリンジ
使用手順
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1.精液サンプルの準備
精液サンプルが液状であることを確認してください。
必要な器具をすべて集め、清潔な場所で作業してください。 -
2.サンプルの吸引
精液を吸引する前に、よく懸濁してください。
付属のシリンジを使⽤して、精液を1mLまたは3mLを吸引してください。
気泡が⼊らないようにしてください。
精液の量が不⼗分な場合は、精⼦調整液を加えて
1mLまたは3mLにします。 -
3.サンプルの注⼊
精⼦懸濁液で満たされたシリンジを精液注⼊ポートにセットします。
シリンジのプランジャーをゆっくり押し、精⼦懸濁液をデバイスに注⼊します。
注意:装置は常に平らな⽔平⾯(テーブル)の上で取り扱ってください。この際、Harvesterに過負荷をかけないでください。1mLまたは3mLの精⼦懸濁液のみを使⽤してください。 -
4.精子調整用メディウムの充填
新しいシリンジを使⽤し、0.8mLの精⼦調整液を吸引してください。
気泡が⼊らないようにしてください。
シリンジを培養液注⼊⼝にセットし、ゆっくりと精⼦調整液を添加します。この際、Harvesterに過負荷をかけないでください。 -
5.インキュベーション
37℃で30分間インキュベートしてください。
デバイスは常に⽔平に保ってください。 -
6.サンプル回収
インキュベーターからデバイスを取り出します。
新しいシリンジを使⽤し、回収物抽出⼝にセットして、精製精⼦サンプルを含む精⼦調整液を0.5mL吸引します。
*注意:精製精⼦サンプルの約90〜95%を吸引することができます。残りの5〜10%を吸引するために、デバイスを傾けないでください。 -
7.サンプル使⽤準備の完了
次のプロセスに進めてください。