高濃度ヒアルロン酸含有 胚移植用 メディウム
AM EmbryoGrip

胚移植用メディウムとは?

体外受精や顕微授精で得られた受精卵(胚)は、培養液(メディウム)の中で育てられます。胚移植(ET)の際も、胚は胚培養用のメディウムもしくは専用の胚移植用メディウムなどに浸った状態で取り扱われ、そのメディウムとともに子宮内へと戻されます。
    胚培養用メディウムも胚にとって快適な環境となるよう作られたものですが、胚移植用メディウムは、胚にとってストレスの少ない環境を整えるだけでなく、さらに着床に適した状態をサポートするために設計されています。北欧デンマークにある、ARTSMedia社のEmbryoGripは、胚移植を行うための専用メディウムとして開発されました。

保険診療にも用いられる
高濃度ヒアルロン酸含有 胚移植用メディウム

胚移植用メディウムの中でも、特に高濃度のヒアルロン酸を含む製品は、多くの高度生殖補助医療施設で使用されています。
ヒアルロン酸は、卵子を取り囲む卵丘細胞にも豊富に含まれる成分で、高い保水性と粘性を有します。この性質により、培養中や胚移植時の操作性を高めるとともに、細胞を物理的・化学的ストレスから保護する働きがあることが知られています。

さらに、ヒアルロン酸は胚と子宮内膜の相互作用に関与し、受精や着床過程において重要な役割を果たします。その効果の一部は、ヒアルロン酸受容体であるCD44を介して発揮されると考えられています。
CD44は胚および子宮内膜の両方に発現しており、ヒアルロン酸との結合を通じて胚の接着や着床初期のシグナル伝達を促進する可能性が示唆されています。

このような背景から、高濃度ヒアルロン酸を添加した胚移植用メディウムを使用することで、妊娠率や出生率の向上が報告されています。
また、この有用性が認められ、2022年の診療報酬改定以降は、一定の条件のもとで医師の判断により保険診療として使用可能となっています。

高濃度ヒアルロン酸含有 胚移植用メディウムで期待されること

高濃度ヒアルロン酸含有胚移植用メディウムを使用した移植では、以下の点において改善が期待されるという報告があります。

・着床率の向上
・臨床妊娠率の向上
・流産率の低下

これまでに胚移植を繰り返しても妊娠に至らなかった方や、良好な胚であっても着床しにくいとされる症例、あるいは形態評価が低い胚を用いた移植においても、成績の改善が報告されています。

※ご注意
高濃度ヒアルロン酸含有 胚移植用メディウムの使用は、着床環境を整えるひとつの方法として期待されていますが、すべての方において胚移植の結果が向上することを保証するものではありません。
治療効果には個人差があり、患者様のご年齢やこれまでの治療歴、胚の状態などにより結果は異なります。ご自身にとって適切な治療法かどうかは、担当医とよくご相談ください。

AM EmbryoGripは保険診療でご使用になれます

AM EmbryoGrip(高濃度ヒアルロン酸含有 胚移植用メディウム)は、0.6 mg/mLとヒアルロン酸を潤沢に含んでおり、医師が必要と判断した場合に限り、保険診療の一環として使用することができます。

一般的に、0.5 mg/mL程度のヒアルロン酸濃度が「高濃度」として多くの臨床研究で用いられていますが、本製品はそれを上回る濃度であり、2025年10月時点において、日本で販売されている胚移植用培養液の中では最も高いヒアルロン酸濃度で製造されています(弊社調べ)。

なお、厚生労働省による保険適用の制度上、ヒアルロン酸濃度に関する明確な基準値は定められていません。
このため、AM Embryo Gripを使用することで、追加費用のご負担を抑えつつ、着床環境を整える補助的手段として治療に組み込むことが可能です。保険適用の可否や適応条件については、担当医にご相談ください。